Osaka University of Tourism’s
Web magazine”passport”
「passport(パスポート)」は、観光や外国語、国際ニュースなどをテーマに、
大阪観光大学がお届けするWEBマガジンです。
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「調査研究2」学外授業 | 大阪高等裁判所見学
「調査研究2」学外授業を、令和5年5月12日(金)に大阪高等裁判所(大阪府大阪市北区)において実施しました。
当日、大阪高等裁判所にて民事事件(ただし行政事件訴訟)1件と大阪地方裁判所にて刑事事件2件を傍聴し、日本の訴訟手続の実際を調査しました【写真1】。
大阪高等裁判所における民事事件(ただし行政事件訴訟)については、事前に教室で事案の概要と論点を学修した上で傍聴に臨みました。日本の民事事件の法廷手続は、書類を提出して裁判所が「書類の内容を陳述しますか。」と尋ねて、原告及び被告(控訴人及び被控訴人)が「陳述します。」と述べるだけで、単純に傍聴しただけでは事案の内容が分かりづらい場合が多いですが、学生たちは事案を理解した上で民事(行政)の控訴事件を傍聴する貴重な学修をしました。
大阪地方裁判所における刑事事件のうち、2件目は開廷表を閲覧しながら学生に事件を選んでもらいました。選ばれたのは外国人が被告人である通訳事件でした。本件では被害者が証言を行う証人尋問が行われており、証人は仮名かつリモートで証言するというまれな事案でした。また、被告人は保釈されており、かつ、個人的な事情で一時帰国を希望しているという点でも興味深い手続の様子を学修することができました。
また大阪高等裁判所?大阪地方裁判所所在地にはもとは佐賀藩蔵屋敷があったということを学んだり【写真2】、中之島の大阪図書館周辺の観光資源としての雰囲気も体験することができたと思われます【写真3】。
現地調査のあとで、なんばにて懇親を兼ねて現地調査結果の考察会を行いました【写真4】。
刑事事件において外国人の被告人が一時帰国を希望している点については、留学生を含めた学生からは、「帰国したままもどってこないのではないか。」などの疑問が出されたのを始め、厳しめの声が多かったなど興味深い考察となりました。
今後、学生とともに考えていきたいと思います。(大学憲章2022?10の約束II)
文責:観光学部教授(法学) 身玉山 宗三郎(みたまやま そうざぶろう)